社長メッセージMessage
「2050年のカーボンニュートラル」実現のために
「2050年のカーボンニュートラル」実現のために
~世界のトレンドを先読みして動こう!~
菅首相が世界へ向けて「2050年にカーボンニュートラルを実現する」と宣言しました。
カーボンニュートラルとは、「温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ということです。
現在の日本の排出量は2018年の実績値として前年度比3.9%減少、2005年度対比で10.2%減少、2014年以降5年連続で減少しているため、排出削減への取り組みは着々と進んでいるように思えます。
しかし、13年間で10%程度の削減だったものを、これからの30年間で100%減(12.4億トン減)をしようというのです。
今までの延長では不可能ということはだれが見ても明らかですね。
ですから、これからは今まで想像もできなかった劇的な変化が起きるはずです。
首相の演説では「化石燃料から再エネ・水素などへのエネルギーバランスのシフトへ向けた技術革新や規制改革によって経済成長と環境配慮の両立を実現する」とのこと。
(「原発の安全稼働」という気になるフレーズもありましたが・・・)
これは素晴らしいのですが、足元では低効率石炭火力の廃止に電力会社が苦悩していますし、再エネも高コスト構造(そのままなら生活者が負担増)で接続量の制約や許可取得の煩雑さなど事業環境の壁は厚いままです。
本当にできるの?と疑いたい気持ちにもなりますよね。
一方で、世界は既に動き出しています。
中国も2060年の二酸化炭素排出を実質ゼロにすると宣言し、EVや水素エネ普及へ着々と政策を打ち出しています。
「高効率」石炭火力の推進を掲げる日本が世界から批判を浴びたニュースもありました。
現実として既に外堀は埋まっており、日本が米国のように「世界を敵に回しても自国の事情優先といった覚悟(?)」を見せない限り首相の宣言通りに動かざるを得ません。
「できるかどうか」ではなく、「やるしかない」のです・・・。
これからは「日本国内の様子を見ながら動く」のではなく、「世界の動向を見ながら先んじて動く」ようにしないとあっという間にルールが劇的に変わり、後追いばかりになってしまいそうです。
(後追いにはお金もかかり、競争に負けてビジネスは苦しくなります)
2012年期限の京都議定書宣言では、そのころに「カーボンフットプリント」など温室効果ガスの排出影響を商品別に数値化し、その削減や「低炭素化に貢献した」商品の購買を促進しようとする施策が強化されました。
しかし、結局それらに取り組む企業は一部にとどまり、大震災後の経済停滞で排出量が激減して約束をクリアしたという結果になってしまいました。
京都議定書のときは中国、インドや米国など排出大国が枠組みに入らず、欧州先行で世界がまとまっていませんでしたが、今回は状況が全く違います。
(米国だけは選挙次第ですが・・・)
政策や外圧に頼らず、自ら世界の動向や社会のあるべき姿を先読みして「低炭素化」や「SDGs実現」のための取り組みを小さなことからでも始めたいですね。
私自身もかんばります!