ジームスアソシエイツ

社長メッセージMessage

SDGs(社会環境問題)を考える上で「気になる3つのフレーズ」

〜思考を停止させず、考え続けるための言葉の切り替え〜

  

SDGs(私の場合、特に環境問題)を様々な場面で議論したり、行動したりする中で、よく耳にする「気になる3つのフレーズ」があります。
(私自身もつい使ってしまうこともあるのですが・・・)

  

環境問題は超長期で考えるテーマが多く(現実的に考えにくい)、トレードオフ:利害対立となる場合も多いため、なかなか議論が進まなくなりますね。

   

そんな時に、とりあえず場を繕い、結論をなんとくなくまとめる際に出てくるフレーズです。

  

1.「難しいですね」
様々な視点から意見が出てきてトレードオフにもなり、どちらにも一理ある場合(例:現役世代と将来世代の優先度、環境規制と経済発展のバランスなど)、議論が停滞すると思わず発してしまいます。
でも、これが出てくると全員が「そうですね」と納得(?)してしまい、それ以上議論が進まなくなります。
こうなると、問題の本質を理解する思考も止まり、何をすべきかもわからず、行動にもつながりません。

  

そんな時は是非とも「それを乗り越えるためには〜」と前向きなフレーズを発することで、「実現可能性が小さくてもできることを考える」、「困難を乗り越えることを前提に考える」ようにしたいですね。

  

2.「ケースバイケース」
多様な事情を考慮すればするほどますます結論を出しづらくなり、ついこの言葉をつぶやいてしまいます。
でも、それはその通りなので、同じく全員が納得し、否定できないので、思考が停止してしまいがちです。
社会環境問題では、水不足で悩む国も、洪水や台風で悩む国もあり、飢餓で苦しむ国・人も、太り過ぎで苦しむ国・人もあります。人口過多も過疎も、束縛による不自由も自由による格差も悩みは大きく異なります。

  

そんな時は是非とも「共通点を探すと〜」と問題の本質や共通性に目を配ったり、「〇〇国の△△さんの場合〜」と特定の事例を挙げて議論の具体化や深堀を進めたりしたいですね。
ちなみに前者は内容の抽象度を上げて問題意識の共有を広める議論の技術であり、後者は内容の具体度を上げて(抽象度を下げて)問題意識の理解を深め、身近さを感じる技術です。

  

3.「地球が壊れる」
気候変動の議論で大気中の二酸化炭素濃度が上昇したり、人口増加で資源不足が深刻化したりする環境問題を考える際に、「地球を守ろう」とか「地球が壊れる」といった言葉がよく使われます。
環境問題の懐疑論者以外は、そうした考え方に特段違和感もなく、思考をそれ以上に進める気にもならないと思います。

  

でも、よく考えると環境破壊で本当に壊れてしまうのは「人間の社会や暮らし」であって、「地球自体が物理的に壊れてしまう」わけではありません。
気候変動による気温・水位の変化や台風等の大型化なども地球自体は状況に応じた物質循環を行っているだけで、それによって困るのは人間や動植物などの生命です。

  

つまり、私たちが環境や社会問題へ取り組むのは「自分たち自身のため」であり、「未来世代や世界を含む私たちの暮らしを守るため」なのです。
このように使う言葉を切り替えて何のために取り組むのかを本質的に捉えれば、その意義や必要性が分かりやすく、多くの方の共感を呼びやすいのではないでしょうか。

  

なんとなく納得してしまうこれらのフレーズに思考を止めることなく、使う言葉を変えることで考え続け、行動し続けていきたいです。

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