ジームスアソシエイツ

社長メッセージMessage

「なぜ働くのか(志)」と「何を目指すのか(未来)」を考えよう!

〜2冊の書籍から学ぶ「SDGsを超えて、未来へワクワクする方法」〜

  

2022年が始まりました。
私にとって2020年と21年は新型コロナウィルスに翻弄された2年となりました。
一方で、新しい働き方ができ、視野も広げられたので、とても貴重な時期にもなりました。
みなさんも今年はどんな年にしようか、と期待と希望(続く感染にちょっと不安も・・・)に胸膨らませてのスタートを迎えられたのではないでしょうか。

  

この年末年始に色々な書籍を読んだのですが、その中で特に感銘を受け、今後是非取り入れていきたいと思った書籍を2冊ご紹介します。
そこで提言されていた2つの考え方を共有できればと思います。

   

1冊目は「パーパス経営〜30年先の視点から現在を捉える〜」です。
(名和高司著)

   

格差の広がりや分断による争いが絶えないことが問題視され、昨今「資本主義の限界」が議論となっています。
そこで、筆者は目指す企業経営の形として「志本経営」を提唱し、日欧米の先行事例から具体的な方策を紹介されています。
その実現の方策とは「ワクワク」「ならでは」「できる!」という意外と(?)シンプルでベタなキーワードを実践することでした。
(本書自体は非常に深みのある内容で敏腕コンサルでもある著者が豊富な学術論を展開されているのですが、その一方、親しみやすいフレーズで解説されるのがとても印象的です)

   

「ワクワク」とは高揚感。危機感をあおるのではなく、心が躍る崇高な目標を掲げること。
「ならでは」では独自の価値観を打ち出すこと。良質な「日本流」を世界に訴求せよと。
「できる!」は失敗を学習機会として取り込みながら、一歩を踏み出して行動し続けること。

    

SDGsについては、「2030年の先を考えよ」、「17ゴールだけでは、誰でも同じ内容となり『ワクワク』も『ならでは』でもない」と批判的な言葉が並びますが、決して理念そのものを否定しているわけではなく、SDGsで満足して思考停止するなと叱咤激励されています。

    

なぜなら「『ワクワク』するような崇高な目標を掲げること」をムーンショットと呼び、「『ならでは』の経営課題を決めること」をマテリアリティの手法で語っておられるからです。

   

私自身が普段SDGsのビジネス活用に取り組んでいる立場ながらも、どこかしっくりこないモヤモヤ感を抱いていたのですが、これで心が晴れる想いを抱きました。
そして、「なぜSDGsに取り組むのか」「なぜ我が社は存在しているのか」といった根本的な問いに納得できる答えが見つかったような気がしました。

  

私なりの「持続可能な社会」そして「幸せ(Well-being)」とは何かをSDGsの枠組みに満足せず考え続け、ビジネスを通して実現していきたいと思います。

   

2冊目は「SF思考〜ビジネスと未来を考えるスキル〜」(藤本敦也、宮本道人、関根秀真共著)です。

   

本著は未来を具体的なイメージとして言語化する手法としてSF小説を描く手順を、ワークショップ形式で読者にも実践しやすく解説しています。
そして、自ら描いた未来の構想をプロのSF作家へ依頼して描かれた小説が5作品掲載されています。

    

私はSDGsにおけるバックキャスティング思考として「未来を描く」ことを推奨していますが、それがSF小説で具体的、そして魅力的に描かれることに感動しました。

   

最近まで放送されていた「日本沈没」のドラマでは日本政府の温暖化対策が引き金となり、地下プレートの活動が活発になって国土を失った日本人が世界各地に分散して移民となる様子が描かれました。

    

ドラマ仕立ての内容に異論もありましたが、基本的な設定には恐怖を覚えるほどのリアル感があり、温暖化の恐怖を理解するには最適だ!と感じていた自分を思い出しました。

   

上記の2冊はいずれも「未来を想像し、それを推進力にすること」が革新的な手法で描かれていることに共通点があります。

    

新型コロナ感染が続き、目の前のことに囚われがちで不安を拭えない現在だからこそ、これを「変化のきっかけ」として「未来を描き、ワクワクしながら行動する」一年にしたいですね。

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