ジームスアソシエイツ

社長メッセージMessage

VUCAの社会でも活躍できるために

~「考えるチカラ」の大切さ~

 

 海外渡航ができなくなって半年以上が経ちました。
徐々に海外往来の手続きや措置が日本でも緩和されていますが、まだまだ1週間程度の短期出張にはハードルが高い状況です。
今年1月には中国で新型コロナ感染のニュースが流れ始めましたが、その後このような世界になってしまうことをだれが予想したでしょうか。

 

 

 こうした「先が見通せない、突然劇的な変化が起きる社会」のことをVUCA(Volatility:不安定さ、Uncertainty:不確かさ、Complexity:複雑さ、Ambiguity:あいまいさ)と呼ぶことが多くなってきました。
これはパンデミック発生前から言われていた言葉です。大きな社会の流れとして既にみられた傾向だということです。それが新型コロナの一件であっという間に顕在化しました。

 

 VUCAの社会でも「将来も安心して、社会で活躍でき、豊かな生活が送れる」ために今私たちに必要なことは何でしょうか。

 

 私は、それを『考えるチカラ』だと思います。
例えば一人一人が「どんなライフスタイルを送りたいか」「今をどう受け止めるか」「これからどうすべきか」について、周囲や過去に縛られず、事実や社会動向、将来予測などを情報収集し、適切な思考プロセスに基づいて、じっくり『自分で考えたこと』を行動に移すべきだということです。
そして、それを尋ねられときにきちんと説明できるよう言語化しておくことです。

 

 「これからの東南アジアと日本の連携のあり方をどう思うか」
こんな漠然としたテーマで議論できるだろうか。
東南アジアの企業経営者らが来日して集い、グループディスカッションを行った際(数年前の話です)、そばにいた私はそんな疑問を感じていました。

 

 でも、議論が始まるや否や活発な発言が続きます。英語に慣れている国の方はもちろんですが、そうでない方も単語を並べ、文法は多少間違っていてもおかまいなしです。
日本の参加者は何も言えず、ぼうぜんとそれを聞き入るばかりでした。

 

 日本人同士でも「〇〇を知っていますか」という知識の有無の問いかけや「〇〇の経験を語ってください」という事実の問いかけには悠然と答える人が、「○○についてどう思いますか」というと、言葉に詰まったり、「〇〇さんと同じです」といった回答になってしまったりすることが多々あります。
(逆に議論で発言を促したいときは前者の問いかけをすることがよくあります)

 

 普段海外で仕事をしていると「あなたはどう思うか」とすぐに意見を尋ねられます。

 また、「他の人と同じく~」といった言い方は「個性がない」「議論参加の価値がない」と評価されるリスクが高くなります。
海外では「自分の考えを持つ」というのはアイデンティティとして当然の行為だとみなされ、周囲の信頼を得るにはそれをはっきり伝え、理解や共感を得ることが大切だと痛感させられます。

 

 世界の情勢が混とんとし、VUCAが当たり前の社会になってくると、常に様々な仕事や社会の課題に触れた際、「自分ならどうする」「自分の意見は」と考える習慣をつけていきたいですね。

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